ハヤブサ目
FALCONIFORMES
ハヤブサ科
Falconidae
ハヤブサ属
Falco (Linnaeus, 1758)
チョウゲンボウ(長元坊)
Falco tinnunculus
Linnaeus, 1758 Common Kestrel
L♂33cm♀38.5cm W68~76cm
留鳥又は冬鳥
山地の崖・農耕地
【1】雄。2001.12.30福岡県糸島市、富にて撮影。
停空飛翔(ホバリング)をよくして獲物を狙う、尾の長いハヤブサ類。
■形態
雄は頭頂、顔、後頸でが青灰色で、目の下に黒いヒゲ状の斑があり、目の後方にも黒い過眼線がある。背面は黒斑のある茶褐色で、腰から尾にかけては青灰色で、尾先に太い黒い横帯がある。
嘴は黒く、蝋膜は黄色。アイリングは黄色で虹彩は暗色。
喉から下は淡い黄褐色で、胸から腹にかけて暗褐色の縦斑がある。脚は黄色。
雌は雄の青灰色の部分が黒斑のある茶褐色。
■繁殖
山地の崖で繁殖し、冬場は農耕地やアシ原、河川敷などに出てくる。
■亜種
11亜種ある。
ヨーロッパ及びアフリカ北西部からシベリアで繁殖する亜種
F.t.tinnunculus
、 シベリア北東部から中国北東部、朝鮮半島 で繁殖する亜種
F.t.perpallidus
、 ヒマラヤから日本及びインドシナで繁殖する亜種チョウゲンボウ(
F.t.interstinctus
)、 インド南部及びスリランカで繁殖する亜種
F.t.objurgatus
、 マディラ島及びカナリア諸島西部で繁殖する亜種
F.t.canariensis
、 カナリア諸島東部で繁殖する亜種
F.t.dacotiae
、 カーボベルデ島北部で繁殖する亜種
F.t.neglectus
、 カーボベルデ島南部で繁殖する亜種
F.t.alexandri
、 アフリカ北東部及びアラビアで繁殖する亜種
F.t.rupicolaeformis
、 ソコトラ島、ソマリア及びケニア北東部で繁殖する亜種
F.t.archeri
、 西アフリカから、エチオピア南部からアンゴラ北部及びタンザニア で繁殖する亜種
F.t.rufescens
。
■分布
ユーラシア大陸の亜寒帯から亜熱帯、アフリカで広く繁殖する。
日本では亜種チョウゲンボウが本州中部以北で繁殖し、冬鳥として全国に渡来する。
■福岡での事例
福岡では冬鳥で10~3月頃見られる。
【室見川】河口から小田部大橋までの流域及び付近の住宅街で観察。
【今津】太郎丸、田尻などの農耕地にて観察。
【2】雄。青灰色の尾羽の先端は太い黒帯となる。2001.12.30福岡県糸島市、富にて撮影。
【3】雄。2003.01.03福岡県福岡市、千里にて撮影。
【4】雄。ホバリング。2002.03.09福岡県福岡市、今津工場裏にて撮影。
【5】雄第1回冬羽。頭部に青灰色の成鳥羽が出はじめている。2004.12.21福岡県福岡市、今津太郎丸にて撮影。
【6】雄第1回冬羽。頭部には青灰色の成鳥羽が出ているが、尾は幼羽のまま。2002.11.01熊本県横島干拓にて撮影。
【7】雄第1回冬羽。尾羽に灰色の成鳥羽が出ている。2004.12.21福岡県福岡市、今津太郎丸にて撮影。
【8】雄第1回冬羽。ホバリング。尾羽に2枚灰色の成鳥羽が見え、腰も灰色になっている。2004.12.24福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。
【9】バッタを捕まえた雌。2001.11.07福岡県福岡市、今津太郎丸にて撮影。
【10】雌。2003.10.07福岡県福岡市、今津太郎丸にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2024/04/26作成