ハヤブサ目
FALCONIFORMES
ハヤブサ科
Falconidae
ハヤブサ属
Falco (Linnaeus, 1758)
コチョウゲンボウ(小長元坊)
Falco columbarius
Linnaeus, 1758 Merlin
L♂27~31cm♀31~34cm W64~73cm
冬鳥
農耕地・草地・裸地
【1】雄成鳥。2001.11.16福岡県糸島市、板持にて撮影。
雄は背が青灰色で、胸がオレンジ色の小型ハヤブサ類。
■形態
雄は額から頭頂が青灰色で、細長く淡いクリーム色の眉斑の後方、後頸、側頸は橙褐色。目の後方に黒い過眼線があり、頬のヒゲ状の斑は青灰色でぼんやりしている。喉は白い。背からの尾までは青灰色で、黒い軸斑が目立つ。翼の先は黒く、尾の先端には太い黒帯がある。胸から下は橙褐色で黒褐色の縦斑がある。嘴は黒く、蝋膜は黄色。アイリングも黄色。足は橙味を帯びた黄色。 雌は頭部からの上面は灰褐色で淡い黄褐色の斑がある。胸から下は淡い褐色に太い暗褐色の斑がある。足は橙味のない黄色。 幼鳥は雌に似ており、上面の褐色味が強い。
■鳴き声
「キッキッ《「クィックィッ《等と鳴く。
■行動
チョウゲンポウと違ってホバリング(停空飛翔)はあまり行なわない。
■採餌
小鳥類を餌とするが。昆虫やネズミ等も捕まえる。
■亜種
9亜種ある。 アイスランドで繁殖する亜種F.c.subaesalon、 ヨーロッパからシベリア北西部で繁殖する亜種F.c.aesalon、 シベリア北中央部で繁殖する亜種コチョウゲンボウ(F.c.insignis)、 アジア北東部で繁殖する亜種ヒガシコチョウゲンボウ(F.c.pacificus)、 アジア西中央部のスッテプ地帯で繁殖する亜種F.c.pallidus、 アジア東中央部の山岳地帯で繁殖する亜種F.c.lymani、 アラスカからニューファンドランドから米国北部で繁殖する亜種F.c.columbarius、 アラスカ南東部からワシントン州(米国)北部で繁殖する亜種F.c.suckleyi、 カナダ中央、南中央部から米国北中央部で繁殖する亜種F.c.richardsonii。
■分布
北半球の亜寒帯で広く繁殖し、冬季はヨーロッパ、北アフリカ、インド、中国、朝鮮半島。アメリカ南部、中央アメリカ、西インド諸島で越冬する。
日本では冬鳥として亜種チョウゲンボウが全国に渡来するが、北海道ではヒガシコチョウゲンボウの記録もある。
■福岡での事例
福岡では冬鳥で10~4月頃見られるが、多くない。
【今津】田尻農耕地から前原市板持の農耕地にて観察。
【2】雄成鳥。2001.11.16福岡県糸島市、板持にて撮影。
【3】雄成鳥。2011.03.24長崎県諫早市、諫早干拓にて撮影。
【4】雌成鳥。2010.11.24福岡県糸島市、泊にて撮影。
【5】雌成鳥。2010.11.24福岡県糸島市、泊にて撮影。
【6】肩羽などの羽縁が幅広く、幼鳥と思われる。2003.11.28福岡県福岡市、今津太郎丸にて撮影。
【7】雄第1回夏羽?。胸に全体が橙褐色のオス成鳥羽が数枚見えている。2006.04.11福岡県福岡市、今津太郎丸にて撮影。
【8】雄第1回夏羽?。胸に全体が橙褐色のオス成鳥羽が数枚見えている。2006.04.11今津田尻農耕地にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2024/04/26作成