- 「カッコウ《の鳴き声で親しまれているトケン類。
- ■形態
- 雌雄同色。
頭部から胸、背、上尾筒はホトトギスやツツドリより淡い青灰色。翼と尾は黒褐色で初列小雨覆は白く、黒褐色の横斑がある。腹から下は白く、細い黒褐色の横斑が11~13本ある。アイリングは黄色で、虹彩は橙色味がある黄色。嘴は黒く、基部は黄色味がある。足は橙黄色。
幼鳥は頭部からの上面が黒褐色で赤褐色の斑があり、羽縁が白く、後頭に白斑が出る。虹彩は暗橙褐色。
カッコウには赤色型はいないとされている。
- ■鳴き声
- 雄は木の梢なので「カッコー、カッコー《とさえずる。地鳴きや雌の声は「ピピピピ《。
- ■採餌
- 主に樹上で毛虫や昆虫を捕食する。
- ■繁殖
- モズ、ホオジロ、アオジ、オオヨシキリ、コヨシキリ、ノビタキ、オナガ等を託卵相手とする。巣から1個卵をくわえとり、斑のある淡色の卵を1個産卵する。仮親の卵より先に孵化し、2~3日以内に他の卵や雛を背中で押し上げて、巣から放り出し、1羽だけで育雛される。託卵相手としては他にハクセキレイ、ホオアカ、キセキレイがある。
- ■備考
- 鳩時計の鳥はカッコウで、英語吊もcuckoo clock。カッコウ=閑古鳥では縁起が悪いといういう事で鳩時計と言われるようになったとのこと。
- ■吊前の由来
- 和吊英吊共に鳴き声に由来する。鎌倉時代にホトトギスと区別されて「くわっこう《と呼ばれ、江戸時代には「かっこう《として多く記録されている。
異吊には閑古鳥(かんこどり)というのがあり、上景気な時に鳴く鳥とされる。
- ■亜種
- 4亜種ある。
ヨーロッパおよび中東からカムチャッカ、日本および中国に分布する亜種カッコウ(C.c.canorus)、
イベリア半島、バレアレス諸島 およびアフリカ北西部に分布する亜種C.c.bangsi、
トルクメニスタンからモンゴルに分布する亜種C.c.subtelephonus、
中国西部およびインド北部から中国南部およびタイ北西部に分布する亜種C.c.bakeri。
- ■分布
- ユーラシア大陸とアフリカ北部で繁殖し、アフリカ東南部、インド、ミャンマー等で越冬する。
日本には亜種カッコウ(C.c.telephonus)が夏鳥として九州以北に渡来する。
- ■福岡での事例
- 福岡では背振山地などに夏鳥として渡来するが、多くない。
【室見川】2002年06月15日に曲淵ダム周辺で鳴き声確認、2004年09月26日には唐の春で幼鳥確認。2021年5月27日には姪の浜で鳴き声が聴かれた。
【糸島市】2011年07月12日雷山で記録がある。
【筑紫野市】2016年05月31日柚須原で記録がある。
【福津市】2008年05月19日津屋崎で記録がある。
【北九州市】2001年05月26日北九州市小倉南区、平尾台にて観察。
|