- じっとたたずんでいる事の多い、灰色の大型のサギ。
- ■形態
- 雌雄同色。夏羽では額から頭頂及び顔から前頸は白い。目の上から後方に黒い斑が伸び、後頸に黒く長い冠羽がある。背からの上面は灰色で、風切、初列雨覆、小翼羽の一部が黒色、翼角の部分に白斑が二つある。胸から下は淡い灰色で喉から胸にかけて黒い縦斑がある、白い飾り羽もある。嘴は黄色。足は黄褐色。虹彩は黄色で眼先も黄色い。
繁殖期には眼先、嘴、足が赤みを帯び婚姻色となる。
冬羽では、嘴が黒みを帯び、全体に青味がなくなる。
若鳥は目の後方の黒斑がはっきりせず、冠羽もない。また翼角付近の黒斑や脇の黒斑が不明瞭。
- ■鳴き声
- 飛ぶときなどに「グァー」「ゴァー」と鳴く。繁殖地では良く鳴く。
- ■行動
- 足が長いので他のサギ類より深いところで餌を探すことができ、干潮時の河口の海の波打際でも魚を捕る姿を見ることができる。また、時折河原などで、首を伸し直立し、羽を下げてペンギンのような格好で日光浴をしているのが見られる。
- ■採餌
- 水辺でじっと待ち伏せしたり、水中を歩き回ったりして、魚等を見つけ、S字に曲げた頚を瞬時に伸ばして、嘴で挟んだり、突き刺したりして捕らえる。カエル、昆虫類も餌にする。
- ■繁殖
- 他のサギ類と混合コロニーを作ることもある。茂った雑木林の梢近くの5〜10mの高さに、枯れた小枝や枯草等を積み上げて、丸く大きな皿状の巣を作る。産卵期間は4月〜5月。通常3〜5個産卵し、抱卵期間は約25〜28日。卵は緑色を帯びた淡青色で、約6.1×4.3cm。雌雄で抱卵し、巣立ち迄は約50〜55日。
- ■亜種
- 4亜種あり、ヨーロッパ西部からアジア東部からインドとアフリカに分布する亜種A.c.cinerea、
中国北部、朝鮮半島と日本からスマトラとジャワに分布する亜種アオサギ(A.c.jouyi)、
バンクダルギン(モーリタニア)に分布する亜種A.c.monicae、
マダガスカル、コモロ、アルダブラに分布する亜種A.c.firasa、
- ■分布
- ユーラシア大陸とアフリカ大陸の温帯から熱帯で広く繁殖する。
日本では亜種アオサギ(A.c.jouyi)が九州以北で繁殖し、北海道では夏鳥、南西諸島では冬鳥。
- ■福岡での事例
- 福岡では80年代迄は冬鳥だったが、現在は留鳥で一年中見られる。
【室見川】河口から曲淵ダムまでの全流域及び付近の田圃で普通に見られる。
【今津】田尻の水田、干潟で普通に見られる。
【和白】干潟及び塩浜の農耕地。
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