ペリカン目
PELECANIFORMES
サギ科
Ardeidae
アオサギ属
Ardea (Linnaeus, 1758)

ダイサギ(大鷺)
Ardea alba Linnaeus, 1758  Great Egret
L80〜104cm・W130cm
留鳥
干潟・河川・水田
【1】亜種チュウダイサギ夏羽。2001.04.16福岡県福岡市、室見川松風橋にて撮影。
冬には2亜種みられる、大型のシラサギ類。
■形態
雌雄同色。亜種ダイサギ夏羽は全身白く、嘴は長くて黒い。眼先は緑青色で、虹彩は黄色。口角は目の後方にある。虹彩は黒い。脚は黒いが脛は黄色く、白っぽくやピンク色味を帯びる個体もいる。
繁殖期には婚姻色目先が明るい緑色で、虹彩は赤。脚も赤みを帯びる。背から白くて長い飾り羽がでる。
冬羽では嘴全体が黄色で、眼先も黄緑色になる。脚も全体が黄色から白っぽくなる。
亜種チュウダイサギは脛は黒く、体も少し小さい。
■鳴き声
飛ぶときなどに「グワー」とか「ゴァー」等と鳴く。繁殖地では良く鳴く。
■行動
サギ類は頸を閉じめて飛翔する。
■採餌
水辺でじっと待ち伏せしたり、水の中を歩き回ったりして、魚等を見つけ、S字に曲げた頚を瞬時に伸ばして、嘴で挟んだり、突き刺したりして捕らえる。
■繁殖
他のサギ類と混合コロニーを作ることが多い。茂った雑木林の木の枝に、枯れた小枝等を積み上げて、皿状の巣を作る。産卵期間は4月〜6月。通常2〜4個産卵し、抱卵期間は約25〜26日。雌雄で抱卵し、巣立ち迄は約30〜42日。
■名前の由来
和名も英名も大きなシラサギだと言う事に因る。
■亜種
4亜種あり、ヨーロッパ中央部からアジア北東部、アフリカ北部及び中央部、アジア南部に分布する亜種ダイサギ(A.a.alba)、サハラ以南のアフリカに分布する亜種A.a.melanorhynchos、カナダからアルゼンチン、チリに分布する亜種A.a.egretta、 アジア南部、東部からインドネシアおよびオーストラリアへに分布する亜種チュウダイサギ(A.a.modesta)。
■分布
世界中の温帯から熱帯で広く繁殖する。日本では亜種チュウダイサギが関東から九州で繁殖し、一部は越冬する。また、西南シベリア以西のユーラシア大陸で繁殖する亜種ダイサギが冬鳥として飛来し、本州以南で越冬する。
■福岡での事例
福岡では亜種チュウダイサギは留鳥で1年中、亜種ダイサギは冬鳥で冬季に見られる。
【室見川】河口から曲淵ダムまでの全流域及び付近の田圃。
【今津】田尻の田圃、干潟、池で普通に見られる。
【和白】干潟、周辺の池など。

【2】冬羽から夏羽へ換羽中。嘴が黒くなりつつある。亜種チュウダイサギ。2009.02.22福岡県福岡市、室見川小田部小学校横にて撮影。

【3】冬羽から夏羽へ換羽中。目先が緑色味を帯びていて、脚に赤く婚姻色が出ている。亜種チュウダイサギ。2008.3.26福岡県福岡市、今津周船寺川水門にて撮影。

【4】夏羽に換羽中。虹彩が赤く、婚姻色が出ている。口角が目より後ろにある。亜種チュウダイサギ。2001.03.29福岡県福岡市、室見川立花堰にて撮影。

【5】夏羽。婚姻色が出ている。亜種チュウダイサギ。2009.04.19福岡県福岡市、今津工場裏にて撮影。

【6】夏羽。亜種チュウダイサギ。2009.04.19福岡県福岡市、今津工場裏にて撮影。

【7】夏羽から冬羽へ換羽中。既に嘴基部が黄色い。亜種チュウダイサギ。2003.06.03福岡県福岡市、今津にて撮影。

【8】冬羽。脚が黒い。亜種チュウダイサギ。2008.01.13室見川小田部小学校横にて撮影。

【9】冬羽。脚が白っぽい。亜種ダイサギ。2004.04.08福岡県福岡市、今津にて撮影。

【10】交尾。2001.04.27福岡県福岡市、愛宕山にて撮影。

【11】雛。2005.06.15福岡県福岡市、愛宕山にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2019/12/03作成