ペリカン目
PELECANIFORMES
サギ科
Ardeidae
ゴイサギ属
Nycticorax (Forster, T, 1817)

ゴイサギ(五位鷺)
Nycticorax nycticorax (Linnaeus, 1758)  Black-crowned Night Heron
L58〜65cm W105〜112cm
留鳥
河川・水田
【1】夏羽。2004.06.09福岡県福岡市、室見川金武井堰にて撮影。
夕方鳴きながら餌場へ向かう事から「ヨガラス」との別名のある夜行性のサギ類。
■形態
雌雄同色。夏羽では頭頂から後頸、背、肩羽は暗い紺色で、翼と腰から尾は灰色。後頭に白くて長い冠羽が2本ある。額、頬、喉から下は白く、眼先は青灰色。嘴は黒く、虹彩は赤い。足は黄色。 繁殖期には目先が濃くなり、脚は鮮紅色になる。 冬羽では目先は黄色。 幼鳥は一般に「ホシゴイ」と呼ばれ、頭部からの上面は茶褐色で、白い斑が散在し、尾羽は茶褐色。喉からの下面は白く、茶褐色の縦斑がある。嘴は暗色で、下嘴は緑黄色。続く眼先の裸出部jは緑黄色で、虹彩は黄橙色。成長に従い虹彩は赤くなる。
■鳴き声
夕方「グァッ グァッ」と鳴きながら良く飛ぶ、「ヨガラス」の異名もある。
■行動
夜行性で、昼間は樹上等で休んでいる事が多いが、雨や曇天時は昼間でも活動する。
■採餌
待ち伏せして、獲物を見つけると、普段は折り畳んでいる頚を瞬時に伸ばして、補食する。主に魚を食べるが、カエル、甲殻類も食す。繁殖期は昼間でも採餌する。
■名前の由来
和名は、「大鏡」にゴイサギが醍醐天皇の勅命に従った事から「従五位」を授けたとの故事が由縁だとされる。
■亜種
4亜種あり、ユーラシア南部からインドとアフリカに分布する亜種ゴイサギ(N.n.nycticorax)、カナダ南部からアルゼンチン北部とチリ、ハワイに分布する亜種N.n.hoactli、チリ、アルゼンチン南西部に分布する亜種N.n.obscurus、フォークランド諸島に分布する亜種N.n.falklandicus
■分布
ユーラシア、アフリカ、南北アメリカ大陸の温帯から熱帯で広く繁殖し、冬季北方のものは暖地へ渡る。日本には亜種ゴイサギ(N.n.nycticorax)が本州以南で留鳥として繁殖し、東北以北では夏鳥として渡来する。
■福岡での事例
福岡でも留鳥だが、数が減っている。
【室見川】新室見橋から曲淵ダムまでの流域で観察。
【今津】田尻の農耕地、葦原、クリークなどで観察。
【大濠公園】野鳥の森で観察。

【2】夏羽。婚姻色で脚が赤くなっている。2001.05.08福岡県福岡市、室見川立花堰にて撮影。

【3】冬羽。嘴に黄色い部分がある。2003.01.12福岡県那珂川町にて撮影。

【4】雛。2005.06.15福岡県福岡市、愛宕山にて撮影。

【5】幼鳥の通称「ホシゴイ」。幼羽。目先は黄色く、虹彩も黄色い。2002.07.07福岡県福岡市、室見川松風橋にて撮影。

【6】第1回冬羽。目先が青みを帯び、虹彩が赤みを増している。白班がない羽が生えて来ている。2001.02.08福岡県福岡市、大濠公園橋にて撮影。

【7】第1回夏羽。頭部から背が紺色の羽に換羽している。2003.06.06室見川矢倉橋にて撮影。

【8】第1回夏羽。5の個体より換羽進んでいる。2005.07.22福岡県福岡市、今津太郎丸にて撮影。

【9】第2回冬羽だと思われる。2002.12.14沖縄県西表島にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2019/12/02作成