- 擬態をする事で有名な、日本で一番小さなサギ類。
- ■形態
- 雄は全身茶褐色で、額から頭頂後頸まで青味のある黒色。喉からの体下面は淡い黄白色で、淡茶褐色の縦斑が数本あるが、中央1本だけの個体もある。茶褐色の翼のうち初列雨覆や風切は黒褐色で、飛ぶと目立つ。嘴は橙黄色で、上嘴は黒っぽい。脚は緑黄色。虹彩も黄色い。
繁殖期には目先から嘴が赤くなる婚姻色が出る。
雌は全身が淡色で頭部の黒色部がないか、あっても縦斑で、後頭部のみ青黒い。胸の縦斑は5本ある。
- ■鳴き声
- 繁殖期の夕方、曇天や雨の日の昼間に「ウォッ、ウォッ」等と低く短かめの音で5声から10声続けて鳴く。
- ■行動
- パタパタとゆっくり羽ばたきながら一直線に飛ぶ。警戒時は体を垂直に立て、嘴を上に向け静止し、水草に擬体する。風に揺れる水草に合わせて揺れる事もある。
- ■採餌
- ヨシ等の茎を足指で掴んで移動しながらフナやドジョウ等の魚類やカエル、ザリガニ等の餌を探し、尖った嘴で捕らえる。
- ■繁殖
- 葦原の中で約1mの高さに葦の茎や葉等を使ってお椀のような巣を作る。産卵期は5〜8月。通常5〜8個産卵し、雌雄で約18日間抱卵する。卵は淡青白色で約3.3×2.5cm。巣立ち迄は約18日。
- ■亜種
- 亜種はない。
日本鳥学会第7版では亜種マリアナヨシゴイ(I.s.bryani)を取り上げているが、詳細不明。
- ■分布
- インドから東南アジア、フィリピン、インドネシア、ニューギニア、ウスリー、朝鮮半島、中国東部、ミクロネシア等に広く分布する。
日本では夏鳥として九州以北に渡来し繁殖する。南西諸島等では冬鳥。
- ■福岡での事例
- 福岡では夏鳥だが少ない。
【室見川】河原橋上流(2019.01.24)、橋本神社横(2006.5.29)で観察例がある。
【今津】以前は繁殖していた。二つ池などで観察されている。
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