ペリカン目
PELECANIFORMES
トキ科
Threskiornithidae
ヘラサギ属
Platalea (Linnaeus, 1758)

ヘラサギ(箆鷺)
Platalea leucorodia Linnaeus, 1758  Eurasian Spoonbill
L70~95cmW115~135cm
冬鳥
干潟
【1】夏羽。2023.04.06福岡県福岡市、室見川筑肥橋上流にて撮影。
ヘラ状の大きな黒い嘴を持つ大型の白い水鳥。
■形態
雌雄同色。
夏羽では全身が白く、後頭に黄色の房状の冠羽があり、喉や胸の周りも黄色味を帯びる。ヘラ状の長い嘴は黒く、上嘴の先端は黄色。喉は黄色く裸出し下嘴に食い込む。目先は青白色で目は嘴と離れて見える。虹彩は赤く、脚は黒い。
冬羽では冠羽はなく、黄色味もない。
幼羽、若鳥では嘴が黒みがかったピンク色で、風切の羽先と、外側初列風切は黒い。
■行動
休息時は、サギ類のように体が立った状態ではなく、体は横のままで、頭を胴にくっつける。
■採餌
水中に嘴を半開きで突っ込み、頭を左右に振って進みながら、昆虫や小魚などの小動物を獲る。集団で追い込むように採餌する事もある。
■特徴
良く似たクロツラヘラサギとは違い目と嘴は繋がって見えない。また、クロツラヘラサギより大きい。
■亜種
3亜種ある。 ヨーロッパから中国北部、インドおよびスリランカで繁殖する亜種ヘラサギ(P.l.leucorodia)、 モーリタニア西部で繁殖する亜種P.l.balsaci、 紅海沿岸部およびソマリアで繁殖する亜種P.l.archeri
■分布
ユーラシア大陸中部、インド、アフリカ北部に分布。
日本には亜種ヘラサギが数少ない冬鳥として九州に渡来するほか、全国で記録がある。
■福岡での事例
福岡では1990年代以降、冬鳥として今津、和白等でクロツラヘラサギに混じって少数が見られていた。近年越冬数が増え、今津ではへラサギの群れも見られる。
【室見川】2023年4月に金屑川合流点で観察。
【今津】瑞梅寺川河口及び後背地で越冬期に観察。
【糸島市】泉川河口で越冬期に観察。
【和白】干潟で越冬期に観察。
【駕与丁公園】2018年12月に記録がある。
【篠栗町】2021年1月九大の森で記録がある。

【2】夏羽。2023.04.06福岡県福岡市、室見川筑肥橋上流にて撮影。

【3】夏羽。2023.04.06福岡県福岡市、室見川筑肥橋上流にて撮影。

【4】夏羽。2023.04.06福岡県福岡市、室見川筑肥橋上流にて撮影。

【5】夏羽。2023.04.06福岡県福岡市、室見川筑肥橋上流にて撮影。

【6】冬羽。2006.01.29福岡県糸島市、加布里湾にて撮影。

【7】喉の黄色い裸出部が見える。冬羽。2015.01.03福岡県福岡市、今津干潟にて撮影。

【8】若鳥。2016.02.20福岡県糸島市、浦志にて撮影。

【9】若鳥。2004.05.19福岡県福岡市、今津干潟にて撮影。

【10】嘴は成鳥と変わらないが、風切などに黒い部分が残っている若鳥。2012.06.29福岡県福岡市、今津干潟にて撮影。

【11】3羽の群れ。左右は成鳥冬羽。中央は若鳥で風切先端の黒い部分が見える。2002.02.05福岡県福岡市、今津干潟にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2023/05/07作成