- 世界中で600羽前後と言われる、ヘラ状の大きな黒い嘴を持つ大型の白い水鳥。
- ■形態
- 雌雄同色。
夏羽では全身白色で、後頭の房状の冠羽と胸が黄色味を帯びる。目先から嘴まで、黒く皮膚が裸出し、黒い嘴とつながって見える。目先に黄色及び青白色の斑が出る個体もいる。嘴はヘラ状で大きく、上嘴に波状の模様がある。嘴の先端は磨耗で黄色くなっている個体もいる。虹彩は赤い。長めの脚も黒い。
冬羽では冠羽は短くなり、全身が白く、黄色味はない。
幼羽及び幼鳥は風切の先端と初列風切外側が黒く、飛翔時に良く分かる。また、嘴もピンク色味がかかり、上嘴に波状の模様が少ない。
- ■採餌
- 水中に半開き下嘴を突っ込み、頭を左右に振って進みながら餌を取る。昆虫や小魚などの小動物を餌にする。集団で魚を追う事もある。
- ■備考
- 中国から朝鮮半島にかけての狭い地域のみで繁殖する、非常に数の少ない水鳥で、今津では毎年越冬する。世界中で600羽前後と言われている。
- ■亜種
- 亜種はない。
- ■分布
- 朝鮮半島西海岸と中国東北部で繁殖し、台湾、香港、ベトナム等で越冬する。
日本へは九州を中心に少数が越冬するが、近年越冬数が増加している。
- ■福岡での事例
- 福岡では毎年今津及び博多湾東部等で越冬する。今津と湾東部の行き来があるようだ。冬鳥で10月~4月くらい。また、今津を経由して沖縄に渡る個体も確認されている。
【室見川】2023年5月に金屑川との合流点で観察、以降同所で時折見られる。
【今津】2000年10月に瑞梅寺川河口で観察以降、越冬機に二つ池、三角池等広く観察される。
【和白】2000年11月和白干潟で観察。
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