スズメ目
PASSERIFORMES
アトリ科
Fringillidae
Carpodacus属
Carpodacus (Kaup, 1829)

アカマシコ(赤猿子)
Carpodacus erythrinus (Pallas, 1770)  Common Rosefinch
L14cm
数少ない旅鳥
平地から山地の林・林縁・草地・農耕地
【1】雄。2011.02.11長崎県対馬市、厳原町浅藻にて杉原敏氏撮影。
渡りの季節に少数が見られる赤い鳥。
■形態
雄は頭部から喉、胸が赤く、嘴は灰褐色で、太く短い。背と肩羽は赤みのあるオリーブ褐色。翼は黒褐色で、雨覆の外縁が赤みのある灰褐色。腰は赤く、尾は黒褐色で短かめの凹尾。腹から下は汚白色で、赤いものもいる。足は赤みを帯びた褐色。
雌は赤みがなく頭部からの上面はオリーブ色味のある灰褐色で、大・中雨覆の先端、三列風切の外縁が細く汚白色。胸から下は汚白色で、胸に褐色の縦斑がある。
■鳴き声
地鳴きは「ピィー、ピィー」「チュィー」など。さえずりは「ピチ、ピチ、ピチョ、ピチョ、ピー」など短く高い声で抑揚をつけて長く繰り返す。
■名前の由来
古来の「あかましこ」は「おほましこ(オオマシコ)」の異名。
■亜種
5亜種ある。
ヨーロッパ北、中央、東部からシベリア中央部で繁殖する亜種C.e.erythrinus、 シベリア東部、モンゴル北部、中国北東部及び朝鮮半島で繁殖する亜種アカマシコ(C.e.grebnitskii)、 トルコ、コーカサス地方、イラン北部及びトルクメニスタンで繁殖する亜種C.e.kubanensis、 カザフスタン東部から中国西部、ヒマラヤ西部、パキスタン、アフガニスタンで繁殖する亜種C.e.ferghanensis、 ヒマラヤ中央、東部から中国中央、南部で繁殖する亜種C.e.roseatus。
■分布
スカンジナビアからカムチャッカにいたるユーラシア大陸の亜寒帯、イラン高原、チベットで繁殖し、インド、インドシナ半島北部、中国南部で越冬する。
日本には亜種アカマシコが数少ない旅鳥として北海道、本州、伊豆諸島等で記録があり、日本海側の島嶼での記録が多い。
■福岡での事例
福岡でも数少ない旅鳥。
【地島】2006年5月に記録がある。
【沖ノ島】2013年5月に記録がある。
【相島】2014年3月、2015年3月、2018年3月に記録がある。

【2】雄。2011.02.11長崎県対馬市、厳原町浅藻にて杉原敏氏撮影。

【3】雄。2011.02.11長崎県対馬市、厳原町浅藻にて杉原敏氏撮影。

【4】雌。2008.05.09石川県輪島市、舳倉島にて高山寔氏撮影。

【5】雌。2008.05.09石川県輪島市、舳倉島にて高山寔氏撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2024/05/29作成