スズメ目
PASSERIFORMES
アトリ科
Fringillidae
Fringilla属
Fringilla (Linnaeus, 1758)

アトリ(花鶏)
Fringilla montifringilla Linnaeus, 1758  Brambling
L16cm W25cm
冬鳥
草地・裸地・農耕地・林
【1】雄夏羽。2021.3.03鹿児島県いちき串木野市にて撮影。
まれに数十万羽の大群を作る事で有名な冬の小鳥。
■形態
雄夏羽は頭部から背にかけて羽縁が擦り切れて黒く、喉と胸は橙色。翼は黒く、小・中雨覆及び大雨覆の羽先は橙色。中雨覆の羽先、初列風切基部の一部は白い。腰は白く、尾は黒褐色で、深い凹尾。腹から下は白く、脇に黒斑がある。嘴は淡黄色で、先端が黒い、足は肉色。
冬羽では、淡色になり、頭部から背にかけての黒色部が橙色味を帯び、背には黒褐色の縦斑がある。
雌は雄より淡色で、頭部から背にかけてが灰褐色で。側頸から後頸は灰色。背には褐色の縦斑がある。脇の斑は褐色。
冬羽では、より淡色になり、黒褐色の頭側線が後頸まで続く。
■鳴き声
地鳴きは「キョッ、キョッ、キョッ」と短い声で連続して鳴く。さえずりはカワラヒワに似た「チッ、チッ、ビィー、チッチッチッ、ビィー」など。
■行動
越冬期は群れで行動するが、数千羽などの大きな群れで行動することもある。
■採餌
樹上でナナカマドなどの液果や、カエデなどの乾実、コメツガなどの針葉樹の種子を食べるが、木の実がなくなると水田などに降りて、草の実などを啄む。
■名前の由来
古くから「あとり」と呼ばれ、万葉集、日本書紀、古事記などにも登場する。室町頃には「あっとり」とも呼ばれる。語源はアトリがよく群をなしている事から「集鳥」からきているという説もある。
■亜種
亜種はない。
■分布
ユーラシア大陸、サハリンの亜寒帯針葉樹林で繁殖し、北アフリカ、ヨーロッパから中東、中央アジア、中国、ロシア沿海地方、朝鮮半島、フィリピンで越冬する。
日本には冬鳥として全国に渡来するが、渡来数の変動は大きい。
■福岡での事例
福岡では冬鳥。
【今津】2001年12月桑原で観察後、ほぼ毎年太郎丸などで観察。2012年12月に太郎丸で5000+の記録がある。
【室見川】2000年11月に橋本八幡で観察後、ほぼ毎年野生の広場などで観察。
【南公園】2003年4月など渡りの時期に林で観察。 【大濠公園】2010年4月などに観察。 【相島】2002年4月に観察。 【那珂川町】2015年1月山田で記録がある。 【筑紫野市】2019年12月天拝山で記録がある。 【春日市】2021年3月に春日公園で記録がある。

【2】雄夏羽。2017.3.02佐賀県武雄市にて撮影。

【3】雄夏羽。2018.3.15長崎県諫早市、諫早干拓にて撮影。

【4】雄冬羽。

【5】雄冬羽。

【6】雄夏羽に換羽中。2020.03.20福岡県糸島市、東にて撮影。

【7】雄夏羽に換羽中、

【8】雌夏羽。2002.04.27福岡県新宮市、相島にて撮影。

【9】雌夏羽。

【10】雌冬羽。2002.11.07福岡県福岡市、今津工場裏にて撮影。

【11】雌冬羽。2002.11.07福岡県福岡市、今津工場裏にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2024/05/29作成