スズメ目
PASSERIFORMES
アトリ科
Fringillidae
ギンザンマシコ属
Pinicola (Vieillot, 1808)

ギンザンマシコ(銀山猿子)
Pinicola enucleator (Linnaeus, 1758)  Pine Grosbeak
L20〜22cm
留鳥
平地から山地の林
【1】雄。2003.07北海道東川町、旭岳にて高山寔氏撮影。
ハイマツの上で囀る嘴の大きなマシコ類。
■形態
雄は頭部から背、腰まで赤く。翼は黒褐色で中雨覆、大雨覆の羽縁は白い。背には黒褐色の横斑がある。尾羽は黒褐色。嘴は黒褐色で太く大きく、上嘴は大きく下へ曲がる。虹彩は黒色。腮からの仮面ははらまで赤く、脇から下尾筒までは灰色。足は黒褐色。
雌は雄の赤い部分が黄褐色で、背は灰色味が強い。
■鳴き声
「ピィピィーピュルピュルピー」などと聞こえる声で囀る。地鳴きは「ピッ、ピッ」
■採餌
樹上や地上で植物の種子を啄むが、繁殖期は昆虫などの動物種の餌も獲る。
■繁殖
ハイマツの枝の上に小枝を組み合わせて椀状の巣を作る。通常3〜5個産卵。
■亜種
8亜種ある。
スカンジナビアからシベリア中央部で繁殖する亜種P.e.enucleator、 シベリア北東部で繁殖する亜種コバシギンザンマシコ(P.e.kamtschatkensis)、 樺太、千島列島および日本北部で繁殖する亜種ギンザンマシコ(P.e.sakhalinensis0、 アラスカ南部およびカナダ西部沿岸部で繁殖する亜種P.e.flammula、ハイダ・グワイ(カナダ西沖)で繁殖する亜種P.e.carlottae、 カナダ南西部から米国西中央部の内陸で繁殖する亜種P.e.montana、 カルフォルニア東部で繁殖する亜種P.e.californica、 アラスカ西、中央部からカナダ東部およびニューイングランド(米国)の内陸部で繁殖する亜種P.e.leucura
■分布
ユーラシア大陸から北米大陸のあかんタイに広く分布する。
日本では亜種ギンザンマシコが北海道の大雪山系、知床羅臼岳等で留鳥として繁殖している他、本州、舳倉島でも稀な冬鳥として記録がある。
また、北海道、本州、舳倉島で亜種コバシギンザンマシコの記録もある。
■福岡での事例
福岡では記録がない。

【2】雄。2003.07北海道東川町、旭岳にて高山寔氏撮影。

【3】雄。2003.07北海道東川町、旭岳にて高山寔氏撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2023/04/04作成