スズメ目
PASSERIFORMES
アトリ科
Fringillidae
Leucosticte属
Leucosticte (Swainson, 1832)

ハギマシコ(萩猿子)
Leucosticte arctoa (Pallas, 1811)  Asian Rosy Finch
L16cm
冬鳥
海岸から山地の草地・河川敷・岩場
【1】雄冬羽。2021.01.29山口県周南市、須金にて撮影。
岩場を好む、紫がかったピンクが綺麗なアトリ類。
■形態
雌雄ほぼ同色。
雄冬羽は頭部が黒褐色で、後頭から後頸が黄褐色。背、肩羽は黄褐色で軸斑は黒い。翼は黒く、雨覆、風切の一部は赤紫。腰は黒褐色の軸斑に赤紫。尾は黒褐色で凹尾。喉から胸は黒褐色で、胸から下は白い斑があり、胸から脇にかけて赤紫の斑がある。下尾筒は白く、黒い斑がある。嘴は太く黄橙色で先端は黒っぽい。脚は赤黒い。
雌は雄に比べ全体に淡色で、頭部の黒みも少なく、赤紫色の斑も少ない。
夏羽では全体が淡くなり、嘴の黒みもなくなる。
■鳴き声
地鳴きは「ジュッ、ジュッ」「ピィッ、ピィッ」など2~3声続けて鳴く。止まっている時はあまり鳴かず、飛びながら鳴くことが多い。
■行動
崖や岩場周辺を好み、垂直な崖に止まる事も出来ると言われる。
■採餌
地上で跳ねたり、歩いたりしながら草の実などを探す。
■亜種
5亜種ある。
シベリア南中央部、カザフスタン北東部およびモンゴル北西部で繁殖する亜種L.a.arctoa、 シベリア南中央部及びモンゴル北部 繁殖する亜種L.a.cognata、 モンゴル西中央部 で繁殖する亜種L.a.sushkini、 シベリア南東部 で繁殖する亜種L.a.gigliolii、 シベリア東部及び中国北東部 で繁殖する亜種ハギマシコL.a.brunneonucha
■分布
モンゴルから西シベリア、レナ川流域、カムチャッカ、アラスカから北米西部に分布、冬期はサハリン、中国東北部、朝鮮半島でも見られる。
日本には亜種ハギマシコ(L.a.brunneonucha)が冬鳥として九州以北に渡来する。
■福岡での事例
福岡では少ない冬鳥。
【今津】毘沙門山で観察された。

【2】雄冬羽。2021.01.29山口県周南市、須金にて撮影。

【3】雄冬羽。2002.12.28大分県九重町にて撮影。

【4】雌冬羽。2002.12.28大分県九重町にて撮影。

【5】雌冬羽。2002.12.28大分県九重町にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2021/12/18作成