- 黄色い大きな嘴の目立つアトリ類。
- ■形態
- 雌雄同色。
頭頂から顔前部は青色光沢のある黒で、顔後部から背、肩羽、腰、喉、腹は灰褐色。初列風切は黒く、中央に白斑がある。次列風切基部、大雨覆は光沢のある紺色。尾羽は深い凹尾で黒い。嘴は太く黄色で、基部は黄緑色を帯びる。脚は赤みを帯びた肉色。
冬羽では嘴基部の黄緑色が薄れる。
- ■鳴き声
- さえずりは「キィーコーキィー」と大きく伸びやかな声で鳴く。地鳴きは「ケッ、ケッ」「キョッ、キョッ」と短くきつめの声鳴く。
- ■繁殖
- 繁殖期は5~7月で低山の明るい雑木林の2~15m程の枝上に、小枝、ツタなどでお椀型の巣を作る。産座には細根、樹皮などを緻密に敷き詰める。淡い青緑色等の地に褐色の斑がある、長径約2.6cmの卵を、通常3~4個産卵する。雌だけが抱卵し、抱卵日数約14日。巣立ちまでの日数は約14日。
繁殖期はつがいで生活するが、縄張りとして防衛するのは巣の周り狭い範囲だけ。
- ■亜種
- 2亜種ある。
日本北、中央部で繁殖する亜種イカル(E.p.personata)、
シベリア南東部、中国北東部及び朝鮮半島で繁殖する亜種E.p.magnirostris。
- ■分布
- ウスリーから中国北部で繁殖し、冬期は中国南部に渡る。
日本では亜種イカルが九州以北で繁殖し、冬期は北海道等のものは暖地へ渡る。
- ■福岡での事例
- 福岡では留鳥で一年中見られる。
【室見川】立花堰~松風橋周辺、ダムパークで観察。
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