- 嘴が食い違っている赤い小鳥。
- ■形態
- 雄は全身が赤橙色で、翼と尾は黒褐色。黒い嘴は上嘴はまっすぐで下嘴は左右どちらかに曲がっている。黒褐色の過眼線から耳羽を取り巻くように黒褐色の線がある。下尾筒は白い。脚は黒褐色。
雌は全身が黄緑褐色で、翼と尾は黒褐色。
幼鳥は全身が灰褐色で、黒褐色の縦斑があり、翼は黒褐色
- ■行動
- 囀りは「ピッチュピッチュ チュルイチュルイ」などと複雑な声で鳴く。地鳴きは「ピョッピョッ」など。
- ■採餌
- マツの実の鱗片を食い違った嘴でこじ開けて、中の実を食べる。
- ■繁殖
- アカマツの樹上に枯れ枝を椀状に組んで造巣する。通常2〜4個産卵し、抱卵日数は約14日。
- ■亜種
- 19亜種ある。
ヨーロッパ北、西、中央部からシベリア北西部およびモンゴル北部で繁殖する亜種L.c.curvirostra、
スペイン中央、南部、バレアレス諸島で繁殖する亜種L.c.balearica、
コルシカ島で繁殖する亜種L.c.corsicana、
イタリア南部、アフリカ北西部で繁殖する亜種L.c.poliogyna、
バルカン半島東部およびトルコからコーカサスおよびウクライナ南部で繁殖する亜種L.c.guillemardi、
カザフスタン北東部、シベリア南西部およびモンゴル西部で繁殖する亜種L.c.altaiensis、
カザフスタン南東部からタジキスタンおよび中国北西部で繁殖する亜種L.c.tianschanica、
ヒマラヤから中国南部で繁殖する亜種L.c.himalayensis、
ベトナム南部で繁殖する亜種L.c.meridionalis、
シベリア南東部からシベリアおよび千島列島、中国北東部、朝鮮半島、北海道および本州北、中央部で繁殖する亜種イスカ(L.c.japonica)、
montane Luzon(フィリピン北部)で繁殖する亜種L.c.luzoniensis、
カナダ南東部および米国北東部で繁殖する亜種L.c.minor、
ニューファンドランド島で繁殖する亜種L.c.percna、
アラスカ沿岸から米国西部沿岸で繁殖する亜種L.c.sitkensis、
カナダ南西部内陸から米国北西部内陸で繁殖する亜種L.c.bendirei、
ロッキー山脈中央部(米国西中央部)で繁殖する亜種L.c.benti、
米国西中央から南西部で繁殖する亜種L.c.grinnelli、
米国南西部からメキシコ南部で繁殖する亜種L.c.stricklandi、
グアテマラおよびベリーズからニカラグアで繁殖する亜種L.c.mesamericana。
- ■分布
- ユーラシア大陸および北米大陸の亜寒帯の針葉樹林に広く分布する。
日本では亜種イスカが北海道および本州の宮城、長野、山梨で繁殖の記録があるが、多くは冬鳥として全国で記録がある。
- ■福岡での事例
- 福岡でも稀な冬鳥として記録がある。
【油山】2007年4月観察センターで10羽前後の群れの記録がある。
【相島】2013年11月、2015年9月に記録がある。
【福岡市】2020年11月南区平和南緑地保全区で14羽の群れの記録がある。
【宗像市】2020年11月に赤間駅で記録がある。
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