- 嘴と頭が大きくずんぐりした地味な色のアトリ類。
- ■形態
- 雄は頭部と顔が茶褐色で、眼先と腮は黒く、太く短い嘴は鉛色。後頭は灰色で、背と肩羽は焦茶色。翼は青色光沢のある黒で、外側大雨覆と中雨覆は白色。胸から下と腰は褐色で、下尾筒は白い。尾は短く濃褐色で先端が白い。足は肉色。
冬羽では全体がやや淡色で、嘴が肉色になる。
雌は全体が淡色で、目先が褐色。次列風切外弁は灰色。
- ■鳴き声
- さえずりは「チッチッチー ピッピッピー ツィチッ」等。地鳴きは「チチッ」「ツィー」等と鋭い声で鳴く。
- ■採餌
- ムクノキ、エノキ、ヤマハゼなどの木の実を好んで食べる。
- ■繁殖
- 産卵期は5~6月。木の枝の上に枯草でお椀型の巣を作る。通常3~6個産卵し、抱卵日数は14~15日。
- ■亜種
- 6亜種ある。
ヨーロッパからシベリア中央部及びモンゴル北部で繁殖する亜種C.c.coccothraustes、
アフリカ北西部で繁殖する亜種C.c.buvryi、
ウクライナ南部、コーカサス、トルコ北東部及びイラン北部で繁殖する亜種C.c.nigricans、
カザフスタン南部及びウズベキスタン東部からアフガニスタン北東部で繁殖する亜種C.c.humii、
シベリア南東部、中国北東部及び朝鮮半島で繁殖する亜種C.c.shulpini、
カムチャッカ、樺太及び千島列及び日本で繁殖する亜種シメ(C.c.japonicus)。
- ■分布
- ヨーロッパ中部、南部、カスピ海周辺、ロシア南部、ウスリー、中国東北部、樺太、千島、カムチャッカ、日本で繁殖する。
日本では亜種シメが本州中部以北で繁殖するほか、冬鳥として全国に渡来する。
- ■福岡での事例
- 福岡では冬鳥で、10~5月に見られるが、多くはない。
【室見川】上流西油山中央公園、西部運動公園で観察。
【小戸公園】園内で観察。
【今津】太郎丸牛舎周辺、志登神社、今宿野外活動センターで観察。
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