- 頬の紅色が特徴的な小鳥。太宰府天満宮の正月行事「うそかえ」で有名な鳥。
- ■形態
- 亜種ウソ雄は、頭が光沢のある黒色で、喉から頬、耳羽までが赤い。後頸から背、肩羽は灰黒色で、翼は黒く、大雨覆の羽先は灰白色。腰は白く。尾は光沢のある黒。胸から腹は灰白色で下尾筒は白い。嘴は短く黒い。足は赤黒い。
雌は後頸が灰色で、背、肩羽、小雨覆は灰褐色。頬や耳羽、喉から下は淡灰褐色。
亜種のアカウソの雄は胸から腹が淡い紅色。 雌は喉から下に葡萄褐色みがあり、外側尾羽の軸斑は白い。
亜種ベニバラウソは雌雄とも大雨覆の羽先は白色。雄は頬と同じ赤みが胸から腹まで続く。 雌は褐色部分の黄色みが強く、外側尾羽の軸斑は太く白い。
- ■鳴き声
- 囀りは「フィーホーフィー」等で、調子の外れた口笛のように聞える。地鳴きは「フィー、フィー」。
- ■採餌
- 蛾の幼虫等の甲虫類やクモなどを捕食するほか、サクラなどの花の蕾、新芽、若葉、雑草類の種子を好んで採餌する。
- ■繁殖
- 産卵期は5~7月。針葉樹の2~5m程の高さ枝の上に、細い枯れ枝に、細根やサルオガセなども使用して椀型の巣を作る。産座にはサルオガセ、リゾモルファーなどを敷き詰める。コバルト色の地に紫黒色斑のある長径約2.0cmの卵を、通常4~6個産卵する。主に雌が抱卵し、抱卵日数は12~14日、巣立ちまでの日数は12~16日。
- ■亜種
- 10亜種ある。
イギリス諸島に分布する亜種P.p.pileata、
ヨーロッパ北部、南中部及び東部よりシベリア中央部に分布する亜種P.p.pyrrhula、
ヨーロッパ西部に分布する亜種P.p.europaea、
フランス南西部、イベリア半島北部に分布する亜種P.p.iberiae、
トルコ北東部及びコーカサスに分布する亜種P.p.rossikowi、
シベリア西部及びカザフスタン北東部からシベリア東部及び中国北東部に分布する亜種P.p.cineracea、
シベリア東部に分布する亜種ベニバラウソ(P.p.cassinii)、
アゼルバイジャン及びイラン北部に分布する亜種P.p.caspica、
千島列島及び日本北部に分布する亜種ウソ(P.p.griseiventris)、
樺太に分布する亜種アカウソ(P.p.rosacea)。
- ■分布
- ユーラシア大陸の亜寒帯で広く繁殖し、冬季北のものは南へ渡る。
日本には本州中部以北の亜高山等で繁殖し、冬季は九州以北の暖地や低地に移動する亜種ウソが留鳥として分布するほか、亜種アカウソ、亜種ベニバラウソが九州以北に冬鳥として渡来する。
- ■福岡での事例
- 福岡では冬鳥。11~4月頃。
【室見川】曲渕ダムで亜種ウソ、亜種アカウソが観察できた。
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