スズメ目
PASSERIFORMES
エナガ科
Aegithalidae
Aegithalos属
Aegithalos (Hermann, 1804)

エナガ(柄長)
Aegithalos caudatus (Linnaeus, 1758)  Long-tailed Tit
L13cm W16cm
留鳥
平地~山地の林
【1】亜種キュウシュウエナガ。2013.2.21熊本県九重町にて撮影。
丸っこい体に、長い尾と短い嘴が特徴の白っぽい小鳥。
■形態
雌雄同色。額から頭頂は白く、黒い眉斑が背まで伸びていて、背の両側に赤紫の斑がある。肩羽、翼、尾は黒く、次列・三列風切外縁と外側尾羽の外縁は白い。顔、喉から下は白く、脇、腹から下尾筒にかけては淡い赤紫色。嘴は短く黒い。脚も黒。
幼鳥は成鳥の黒色部が黒褐色で、顔も黒褐色。喉から下には淡い赤紫色はなく白い。
亜種シマエナガは黒い眉斑がなく、頭部全体が白っぽい。
■鳴き声
囀りは「チーチーツリリジュリリ」等複雑で細い。地鳴きは「チュリリリ」「ジュリリリ」。
■行動
繁殖期以外は10羽前後の群で行動し、カラ類、メジロ、コゲラなどと混群を作り、林の中を枝から枝へ移っていく。林から出ることは少ない。
■採餌
枝先を移動しながら昆虫類を捕ったり、停翔して樹液を吸ったりする。
■繁殖
産卵期は4~6月。木の枝に蘚類をクモの糸でかがって袋状の巣を作り、表面にウメノキゴケを貼り付け、内側には羽毛を敷く。通常7~13個産卵し、抱卵日数は13~15日。巣立ちまでは14~17日。
つがい以外の個体がヘルパーとして、抱卵や育雛に参加する事もある。
■亜種
日本では4亜種が分布し、北海道には亜種シマエナガ(A.c.japonicus)、対馬には亜種チョウセンエナガ(A.c.magnus)、四国・九州には亜種キュウシュウエナガ(A.c.kiusiuensis)、本州・佐渡・隠岐には亜種エナガ(A.c.trivirgatus)が分布する。
■分布
ユーラシア大陸の温帯から熱帯で広く繁殖する。日本では留鳥として九州以北に分布。
■福岡での事例
福岡でも留鳥で一年中見られる。
【室見川】中上流の山地で観察。
【大濠公園】園内の林で観察。

【2】額から頭頂は白い。亜種キュウシュウエナガ。2011.2.12福岡県大任町にて撮影。

【3】亜種キュウシュウエナガ。2004.10.27前原市高須神社にて撮影。

【4】亜種キュウシュウエナガ。2003.1.22室見川石釜にて。

【5】次列・三列風切外縁と外側尾羽の外縁は白い。亜種キュウシュウエナガ。2011.2.12福岡県大任町にて撮影。

【6】亜種キュウシュウエナガ。2013.2.21熊本県九重町にて撮影。

【7】亜種キュウシュウエナガ。幼鳥。2015.5.10長崎県大村市にて撮影。

【8】2015.5.10長崎県大村市にて撮影。

【9】亜種シマエナガ。2001.6.21北海道苫小牧市ウトナイサンクチュアリにて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2024/03/07作成