- 木の幹に下向きに止まり、そのまま降りる事ができるカラ類。
- ■形態
- 雌雄同色。
頭部から肩、背は青灰色で、黒い過眼線がある。顔から喉は白い。翼は黒褐色で、肩羽、雨覆、三列風切は暗い青灰色。初列風切の突出は長い。尾は短く、中央一対は青灰色で、残りは黒く先端は灰色。外側尾羽に白斑がある。腹からの下面は白く、脇は淡橙色で、下尾筒は赤褐色。黒い嘴は長く、少し上に反って見える。嘴基部は鉛色。足は肉褐色。
亜種シロハラゴジュウカラは上面がやや淡く、脇の淡橙色と下尾筒の赤褐色部分の範囲が狭い。
- ■鳴き声
- 「フィーフィーフィーフィー」と良く通る声で鳴く。地鳴きは「チッ」「チュッ」。
- ■採餌
- 樹皮の割れ目等でクモや昆虫等を食べるほか、木の実も食べ、秋にはそれを貯える事もする。
- ■繁殖
- 繁殖期にはつがいで縄張りを持つ。
産卵期は4~6月。キツツキなどの古巣に営巣し、巣穴の内壁や隙間などに泥を塗る習性がある。巣箱も利用する。通常約7個産卵し、抱卵日数は14~15日、巣立ちまでは23~25日。
- ■備考
- 日本鳥類目録第7版では、日本には北海道に留鳥として分布する亜種シロハラゴジュウカラ(S.e.asiatica)と、九州北部から四国、本州、隠岐に留鳥として分布する亜種ゴジュウカラ(S.e.amurensis)、九州南部に留鳥として分布する亜種キュウシュウゴジュウカラ(S.e.roseilia)の3亜種があるとされているが、IOCでは亜種シロハラゴジュウカラの学名が変わり、亜種キュウシュウゴジュウカラが亜種ゴジュウカラに含まれ、学名も変わった。
- ■亜種
- 21亜種あり、
ヨーロッパ西部、中央部および南東部で繁殖する亜種S.e.caesia、
ヨーロッパ北部及び東部で繁殖する亜種S.e.europaea、
ポルトガル、スペイン及びモロッコ北部で繁殖する亜種S.e.hispaniensis、
スイス、クロアチア、イタリア及びシチリア島で繁殖する亜種S.e.cisalpina、
トルコ南部、シリア北部及びレバノン北部で繁殖する亜種S.e.levantina、
トルコ南東部、イラク北部及びイラン西部で繁殖する亜種S.e.persica、
トルコ北東部からロシア南西部で繁殖する亜種S.e.caucasica、
イラン北部及びアゼルバイジャンで繁殖する亜種S.e.rubiginosa、
シベリア南西部、南中央部、カザフスタン北部及びモンゴル西部で繁殖する亜種S.e.asiatica、
シベリア東部、モンゴル中央部で繁殖する亜種S.e.baicalensis、
シベリア北東部及び千島列島北部で繁殖する亜種S.e.albifrons、
サハリンで繁殖する亜種S.e.sakhalinensis、
千島列島南中央部で繁殖する亜種S.e.takatsukasai、
千島列島南部、北海道(日本北部)で繁殖する亜種シロハラゴジュウカラ(S.e.clara)、
本州及び九州(日本)で繁殖する亜種ゴジュウカラ(S.e.hondoensis)、
ロシア極東部、中国北東部および朝鮮半島で繁殖する亜種S.e.roseilia、
チェジュ島(韓国南部)で繁殖する亜種S.e.bedfordi、
中国北西部で繁殖する亜種S.e.seorsa、
中国北中央部及び東部で繁殖する亜種S.e.sinensis、
台湾で繁殖する亜種S.e.formosana。
- ■分布
- 寒帯と山岳地帯を除くユーラシア大陸に広く分布する。
日本にはには北海道に留鳥として分布する亜種シロハラゴジュウカラ(S.e.clara)と、本州、隠岐、四国、九州に留鳥として分布する亜種ゴジュウカラ(S.e.hondoensis/i>)が留鳥として分布。
- ■福岡での事例
- 福岡でも留鳥だが、平地では見られない。
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