- 黄色と黒の顔と側頭線の角状の冠羽が特徴的なヒバリ類。
- ■形態
- 雌雄同色。
夏羽では頭頂からの上面は淡褐色で、尾羽は中央一対以外は黒い。顔は淡い黄色で、側頭線は黒く、後方が黒い角状の冠羽となる。過眼線と嘴基部から頬までが黒い。胸に黒い帯があり、下面は汚白色。嘴はやや太く鉛色、脚は黒褐色。
冬羽では顔の黄色味や黒色が淡くなり、頭側線の冠羽は目立たたくなる。
- ■鳴き声
- 「ピリ ピリ《「チュイ チュイ《などと鳴く。
- ■繁殖
- ツンドラ等の岩陰の地面の窪みに、枯れ草や椊物の茎などを使って椀状の巣を作り、動物の毛や椊物の繊維を敷く。通常2~7個産卵し、抱卵日数は10~14日。抱卵は雌のみが行う。
- ■亜種
- 42種ある。
アラスカ北部からブリティッシュコロンビア州(カナダ西部)で繁殖する亜種E.a.arcticola、
カナダ北部で繁殖する亜種E.a.hoyti、
カナダ東部で繁殖する亜種E.a.alpestris、
カナダ西海岸および米国で繁殖する亜種E.a.merrilli、
ブリティッシュコロンビア州南部沿岸部(カナダ西部)からオレゴン州沿岸部(米国西部)で繁殖する亜種E.a.strigata、
ワシントン州西部の山々(米国北西部)で繁殖する亜種E.a.alpina、
アメリカ合衆国西部の内陸山岳で繁殖する亜種E.a.lamprochroma、
アルバータ州(カナダ南西部)南部からアメリカ北中、中部までで繁殖する亜種E.a.leucolaema、
カナダ南中央部からオクラホマ州とテキサス州(米国中部)で繁殖する亜種E.a.enthymia、
カナダ南東部および米国北東、東中央部で繁殖する亜種E.a.praticola、
カルフォルニア州北東部(米国西部)の山地で繁殖する亜種E.a.sierrae、
カルフォルニア州中央部(米国西部)で繁殖する亜種E.a.rubea、
米国西中央部の山地で繁殖する亜種E.a.utahensis、
カルフォルニア州南部沖の島嶼(米国西部)で繁殖する亜種E.a.insularis、
カリフォルニア南部(米国西部)およびバハカリフォルニア州北部(メキシコ北西部)の海岸山脈で繁殖する亜種E.a.actia、
カリフォルニア州南東部およびネバダ州(米国南西部)南西部の砂漠で繁殖する亜種E.a.ammophila、
ネバダ州南部、アリゾナ州西部(米国南西部)、メキシコ北西部の砂漠で繁殖する亜種E.a.leucansiptila、
アリゾナ州北部からニューメキシコ州中央部(米国南東部)で繁殖する亜種E.a.occidentalis、
アリゾナ州南部およびニューメキシコ州南部(米国南西部):メキシコ北中央部で繁殖する亜種E.a.adusta、
バハ・カリフォルニア州中央部(メキシコ北西部))で繁殖する亜種E.a.enertera、
米国南中央部沿岸およびメキシコ北中央部で繁殖する亜種E.a.giraudi、
チワワ州とデュランゴ州(メキシコ北西部)で繁殖する亜種E.a.aphrasta、
コアウイラ州(メキシコ北中央部)で繁殖する亜種E.a.lactea、
コアウイラ州南部からプエブラ州北東部(メキシコ北中央、東部)で繁殖する亜種E.a.diaphora、
メキシコ西中央から東中央部で繁殖する亜種E.a.chrysolaema、
メキシコ南部で繁殖する亜種E.a.oaxacae、
コロンビアで繁殖する亜種E.a.peregrina、
ヨーロッパ北部およびアジア北部で繁殖する亜種ハマヒバリ(E.a.flava)、
欧州ロシア南東部からモンゴル西部および中国北部で繁殖する亜種E.a.brandti、
モロッコで繁殖する亜種E.a.atlas、
バルカン半島南部とギリシャで繁殖する亜種E.a.balcanica、
小アジア半島西、中央部で繁殖する亜種E.a.kumerloevei、
トルコ東部およびコーカサスからイランで繁殖する亜種E.a.penicillata、
レバノンからイスラエル・シリア国境までで繁殖する亜種E.a.bicornis、
イラン北東部とトルクメニスタンからパキスタン北西部で繁殖する亜種E.a.albigula、
中国西部遠方で繁殖する亜種E.a.argalea、
中国西および中西部で繁殖する亜種E.a.teleschowi、
青海省北部(中国西中央部)で繁殖する亜種E.a.przewalskii、
青海省東北部(中国西中央部)で繁殖する亜種E.a.nigrifrons、
パキスタン北東部およびヒマラヤ西部で繁殖する亜種E.a.longirostris、
チベット高原の南、東部で繁殖する亜種E.a.elwesi、
sw, sc China中国南西、南中央部で繁殖する亜種E.a.khamensis。
- ■分布
- ユーラシア大陸から北米大陸の極地と、モロッコ、トルコから中国北部、メキシコなどで繁殖し、極地のものは冬季南下する。
日本にはまれな冬鳥として亜種ハマヒバリが北海道、本州、九州、対馬、トカラ列島中之島で記録がある。
- ■福岡での事例
- 福岡では2012年に初めて記録された。
【今津】2012年11月16日工場裏で観察した。
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