スズメ目
PASSERIFORMES
ヒバリ科
Alaudidae
Calandrella属
Calandrella (Kaup, 1829)

ヒメコウテンシ(姫告天子)
Calandrella dukhunensis (Sykes, 1832)  Mongolian Short-toed Lark
L14cm
少ない旅鳥または冬鳥
草地・農耕地・海岸
【1】2017.04.08長崎県対馬市、厳原町浅藻にて杉原敏氏撮影。
三列風切が長い、小型のヒバリ類。
■形態
雌雄同色。
頭部から背は灰褐色で黒褐色の縦班があり、頭頂の短い冠羽は茶色味がある。翼は肩羽、雨覆、三列風切は黒褐色の軸班が大きく、灰褐色の羽縁があり、飛翔時雨覆に灰褐色の帯となる。次列、初列風切は黒褐色で、三列風切が長い為、翼を閉じると隠れる。腰から上尾筒は灰褐色で、尾羽は中央が灰褐色で、他は黒く、最外側は白い。嘴は赤みのある黄白色で、太く、やや長い。顔は白っぽく、頬は灰褐色。虹彩は黒く。口角は目先の下まで伸びる。喉からの下面は淡褐色で胸の両脇に黒斑があるが、大きさは個体差が大きい。最外側を除いて尾羽の裏は黒い。
■鳴き声
「ジュン ジュン《「チュン チュン《と鳴く。
■採餌
雑食性で、地上で昆虫類を捕食し、草の実を採餌する。
■繁殖
地上の草の根元等に、枯れ草や茎、根等を使って、浅い椀状の巣を作り、獣毛や羽毛を敷く。通常3~5個産卵し、雌雄で抱卵し、抱卵日数は約16日。
■吊前の由来
和吊は、江戸時代に飼い鳥として日本に渡来していた、モンゴルなどに分布するヒバリ科のコウテンシに似た、小さな鳥と言う意味か?
■亜種
8亜種ある。
ヨーロッパ南部及び地中海の島嶼、アフリカ北西部?に分布する亜種C.b.brachydactyla、 ハンガリー及びセルビア北部に分布する亜種C.b.hungarica、 アフリカ北部に分布する亜種C.b.rubiginosa、 トルコ南部及びシリアからエジプト北東部に分布する亜種C.b.hermonensis、 トルコ南部及びシリア北西部s Turkey and nw Syriaに分布する亜種C.b.woltersi、 トルコ中央部とトランスコーカシアからイラン北西部に分布する亜種C.b.artemisiana、 ウクライナ及びロシア南部からシベリア南中央部及びモンゴル南部に分布する亜種ヒメコウテンシ(C.b.longipennis)、 シベリア中央部、モンゴル北部及び中国北部に分布する亜種C.b.orientalis
■分布
ヨーロッパ南部からトルコ、中央アジア、モンゴル、中国北部アフリカ北西部で繁殖し、北のものはインド北西部やパキスタン、アラビア半島、アフリカ中央部に渡る。
日本には亜種ヒメコウテンシが数の少ない旅鳥又は冬鳥として、北海道から沖縄与那国まで記録がある。
■福岡での事例
福岡でも稀な旅鳥として記録がある。
【地島】2006年5月に泊漁港で記録がある。
【相島】2015年5月に記録がある。
【福津市】2015年5月に勝浦で記録がある。
【今津】2017年4月に太郎丸で記録がある。

【2】2017.04.08長崎県対馬市、厳原町浅藻にて杉原時子氏撮影。

【3】2017.04.08長崎県対馬市、厳原町浅藻にて杉原時子氏撮影。

【4】2014.03.26大分県大分市、佐賀関にて撮影。

【5】2014.03.26大分県大分市、佐賀関にて撮影。

【6】2013.04長崎県長崎市、樺島にて高山寔氏撮影。

【7】翼後縁に白帯はない。2014.03.26大分県大分市、佐賀関にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2025/07/07作成