スズメ目
PASSERIFORMES
カワガラス科
Cinclidae
Cinclus属
Cinclus (Borkhausen, 1797)

カワガラス(川鴉)
Cinclus pallasii Temminck, 1820  Brown Dipper
L21〜23cm W32cm
留鳥
平地〜亜高山の渓流
【1】2006.09.12福岡県福岡市、室見川ダムパークにて撮影。
渓流をヴィッ ヴィッと鳴きながら飛ぶ、水に潜れる全身黒褐色の鳥。
■形態
雌雄同色。
全体が暗茶褐色。体はずんぐりとしており、尾は短い。風切等の翼は黒褐色。嘴は黒く、足は濃い鉛色。虹彩は褐色味がある。
幼鳥は成鳥より淡色で、上面は茶褐色で黒褐色の鱗状の横斑がある、下面は白っぽく、黒褐色の鱗状の斑がある。
■鳴き声
川面を直線的に「ヴィッ ヴィッ」と鳴きながら飛ぶ。囀りは「ピスピス ジュジュ」等細かで複雑。
■行動
良く尾をあげた姿勢をとる。水の中に潜水し、歩くことも出来る。
■採餌
水中を歩いたり、水の中にもぐったりしたりして、主にトビケラやカゲロウの幼虫などの水棲昆虫を獲る。
■繁殖
繁殖期は1月頃から始まり、雄は岩の上で囀って縄張り宣言をする。滝の裏の岩の隙間や、堰堤の水抜き穴に、蘚類で直径30cm位の球状の巣を作る。産卵期は2〜6月で、通常4〜5個産卵する。抱卵日数は約15〜16日で巣立ちまでは約21〜23日。
■亜種
3亜種ある。
アフガニスタン北部及び中央アジアの山々からヒマラヤ中央部で繁殖する亜種C.p.tenuirostris、 ヒマラヤ東部からミャンマー及びタイ北西部で繁殖する亜種C.p.dorjei、 シベリア東部から中国中央部から以東、サハリン、千島列島、日本、台湾、中国南部から以南、インドシナ北部で繁殖する亜種カワガラス(C.p.pallasii)。
■分布
ヒマラヤ周辺から中国、台湾、ウスリー、サハリン、カムチャッカ、千島に分布する。日本では留鳥として亜種カワガラスが屋久島以北に分布する。
■福岡での事例
福岡では留鳥、一年中見られる。
【室見川】石釜付近で観察

【2】2021.11.10山口県岩国市、平瀬。

【3】2021.10.18山口県岩国市、平瀬。

【4】翼は無斑。2006.09.12福岡県福岡市、室見川ダムパークにて撮影。

【5】カニも獲る。2021.11.10山口県岩国市、平瀬。

【6】幼鳥。2002.07.13福岡県福岡市、室見川石釜にて撮影。

【7】若鳥。雨覆の羽縁が白い。2021.08.23山口県岩国市、平瀬。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
※禁無断転載
2021/11/10作成