スズメ目
PASSERIFORMES
コウライウグイス科
Oriolidae
Oriolus属
Oriolus (Linnaeus, 1766)

コウライウグイス(高麗鶯)
Oriolus chinensis Linnaeus, 1766  Black-naped Oriole
L26cm
少ない旅鳥
よく茂った松林・林縁
【1】亜種O.c.maculatus。2012.02.24シンガポール、シンガポール植物園にて撮影。
茂みで猫のように鳴く、全身鮮やかな黄色の鳥。
■形態
雌雄ほぼ同色。
全身が鮮やかな黄色で、黒い過眼線が後頭でつながる。黄色い次列風切外縁などを除いて翼は黒く、黄色い外側尾羽先端などを除いて尾羽も黒い。嘴は桃色で太長い。脚は鉛黒色。
雌成鳥は背や肩羽がオリーブ色を帯び、過眼線も後頭で雄より細い。
若鳥は頭部からの上面が暗い黄緑色で、過眼線は黒褐色で、喉からの下面に黒褐色の縦班がある。嘴も赤黒い。
幼鳥は若鳥に似るが過眼線がほとんど無く、体下面も白っぽい。
■鳴き声
「ピョロピィピリョロピィー」と口笛のようにさえずる。地鳴きは「ミャアー ミャオ」「ギャー」などと猫のように鳴く。
■行動
フワフワと飛び、地面に降りることは少ない。茂った林の中を好む。
■亜種
20亜種ある。
アジア東部に分布する亜種コウライウグイス(O.c.diffusus)、 アンダマン諸島に分布する亜種O.c.andamanensis、 ニコバル諸島に分布する亜種O.c.macrourus、 マレー半島、スマトラ、バリ及びボルネオに分布する亜種O.c.maculatus、 シムルエ島及びニアス島(スマトラ西方に分布する亜種O.c.mundus、 シプラ島(スマトラ西方)に分布する亜種O.c.sipora、 シベルト島及びパギ島(スマトラ西方)に分布する亜種O.c.richmondi、 マサリエンブ島( ジャワ海)に分布する亜種O.c.lamprochryseus、 サプディ島、ラース島、カンゲアン諸島(ジャワ北東)に分布する亜種O.c.insularis、 タラウド諸島(フィリピン南方)分布する亜種O.c.melanisticus、 サンギル島及びタブカン島(スラウェシ北東沖)に分布する亜種O.c.sangirensis、 シアウ島, タグランダン島, ルアン島, ビアポ島及びマユ島(スラウェシ北東沖)に分布する亜種O.c.formosus、 スラウェシ島及び近隣の島嶼に分布する亜種O.c.celebensis、 バンガイ島及びスラ島(スラウェシ東方)に分布する亜種O.c.frontalis、ペレン島(スラウェシ西方沖)に分布する亜種O.c.stresemanni、 フローレス海の島嶼に分布する亜種O.c.boneratensis 、小スンダ列島に分布する亜種O.c.broderipi、 パラワン島、ルソン島、ミンドロ島及び近隣の島嶼(フィリピン西部、北部)に分布する亜種O.c.chinensis、 ヴィサヤ諸島、ミンダナオ、バシラン(フィリング中央部、南部)に分布する亜種O.c.yamamurae、 スールー諸島(フィリピン南西部)に分布する亜種O.c.suluensis
■分布
中国から東南アジアに分布し、北のものは冬季南に渡る。
日本では少ない旅鳥として亜種コウライウグイスが、北海道から九州まで記録がある。1996年に埼玉県で繁殖例がある。
■福岡での事例
福岡でも少ない旅鳥。
【相ノ島】2006年5月に観察。
【今津】毘沙門登志神社で観察。

【2】亜種O.c.maculatus。2012.02.23シンガポール、シンガポール植物園にて撮影。

【3】亜種O.c.maculatus。2012.02.23シンガポール、シンガポール植物園にて撮影。

【4】亜種O.c.maculatus。2012.02.24シンガポール、シンガポール植物園にて撮影。

【5】亜種O.c.maculatus。2012.02.24シンガポール、シンガポール植物園にて撮影。

【6】幼鳥。亜種O.c.maculatus。2024.04.22シンガポール、ガーデンバイザベイにて撮影。

【7】幼鳥。亜種O.c.maculatus。2024.04.22シンガポール、ガーデンバイザベイにて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2024/04/25作成