- ツバキの花の蜜が好きな黄緑色の小さな鳥
- ■形態
- 雌雄同色。
頭からの上面は黄緑色で、翼と尾は灰褐色。嘴は細くやや下方に湾曲する。白いアイリングがあり、虹彩は褐色。
喉は黄色で、胸から下は汚白色。脇は紫褐色。下尾筒も黄色い。 脚は黒い。
- ■鳴き声
- さえずりは「チィチィチュチィーチィーチィー」などで、「長兵衛忠兵衛、長忠兵衛」と聞きなしている。地鳴きは「チィーチィー」。
- ■行動
- 秋から冬にかけては10羽以上の群れで行動し、エナガやカラ類と混群を作る。
- ■採餌
- 小枝から小枝に移動しながらクモなどの昆虫を取るほか、冬期は木の実も食べ、花の蜜も良く吸う。
- ■繁殖
- 繁殖期は番で縄張りを持つ。地上から1.5~10の高さの股になった細い枝に、蘚類や枯草で作った丸いコップ型の巣をクモの糸でかがるようにぶら下げる。長径1.7cm、短径1.3cmの純白股は淡青白色の卵を通常3~5個産卵し、抱卵日数は約11~12日。巣立ちまでは約11~12日。
- ■亜種
- 15亜種ある。
樺太南部、日本および朝鮮半島沿岸で繁殖する亜種メジロ(Z.j.japonicus)、
伊豆大島から鳥島で繁殖する亜種シチトウメジロ(Z.j.stejnegeri)、
硫黄島で繁殖する亜種イオウジマメジロ(Z.j.alani)、
琉球列島北部で繁殖する亜種シマメジロ(Z.j.insularis)、
琉球列島(北部を除く)で繁殖する亜種リュウキュウメジロ(Z.j.loochooensis)、
大東島で繁殖する亜種Z.j.daitoensis、
テルナテ島山地、ティドレ、バチン(ハルマヘラ西方)およびセラムで繁殖する亜種Z.j.obstinatus、
スマトラ島山地、ジャワ、バリ、小スンダ、サラワクおよびモルッカ諸島南部で繁殖する亜種Z.j.montanus、
デンポ山(スマトラ南部)で繁殖する亜種Z.j.difficilis、
パラワン島山地(フィリピン南西部)で繁殖する亜種Z.j.parkesi、
ルソン島北部山地(フィリピン北部)で繁殖する亜種Z.j.whiteheadi、
ミンダナオ島北部山地(フィリピン南部)で繁殖する亜種Z.j.diuatae、
ミンダナオ島中央部山地(フィリピン南部)で繁殖する亜種Z.j.vulcani、
ネグロス島山地(フィリピン西中央部)で繁殖する亜種Z.j.pectoralis、
ミンダナオ島山地(フィリピン北西部)で繁殖する亜種Z.j.halconensis。
- ■分布
- 樺太南部、朝鮮半島南部、日本およびフィリピンからインドネシアに分布する。
日本では北海道から九州にかけて亜種メジロが夏鳥または留鳥として分布し、伊豆大島には亜種シチトウメジロ、硫黄島に亜種イオウジマメジロ、大東諸島に亜種ダイトウメジロ、屋久島、種子島に亜種シマメジロ、奄美諸島に亜種リュウキュウメジロが分布する。
- ■福岡での事例
- 福岡では留鳥で、一年中見られる。
【室見川】河口から曲渕ダムまでの全流域の林や公園、住宅地の庭木。
【今津】今津運動公園で観察された。
【和白】唐原川沿いの林で観察された。
【大濠公園】園内の林。
【油山】自然観察の森で観察された。
【志賀島】志賀海神社、海の中道海浜公園内で観察された。
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