スズメ目
PASSERIFORMES
モズ科
Laniidae
モズ属
Lanius (Linnaeus, 1758)

モズ(百舌)
Lanius bucephalus Temminck & Schlegel, 1845  Bull-headed Shrike
L20cm・W27cm
留鳥
公園・林・農耕地
【1】雄。2003.02.18福岡園福岡市、新室見橋にて撮影。
長い尾を円を描くように回す特徴がある、嘴の鋭い小型のモズ類。
■形態
長い尾を円を描くように回す特徴がある、嘴の鋭い小型の猛禽。 雄は頭上が茶褐色で、後頸から腰は灰色で、淡い褐色の眉斑がある。胸から下は褐色。オスは過眼線が黒く、初列風切の基部に白斑がある。 雌は過眼線が茶色で、風切の白斑はあっても小さい。また、腹部に黒褐色の波模様がある。
■鳴き声
繁殖期は「クチュクチュクチュ」「ジュンジュンジュン」「チュピリリ」など小声で複雑なぐぜり鳴きをする。秋からの非繁殖期に「キィーキィーキィー」「ギチギチギチ」と高鳴きと呼ばれるさえずりを行う。地鳴きは「キィー」「キキッ」など。よく他の鳥の鳴き真似もするが、その土地にいない鳥の声もまねることから、夏に過ごした場所で覚えてくるものと思われる。
■行動
体を縦にして止まり、尾を円を描くように良く廻す。 秋から初冬にかけて、「はやにえ」と呼ばれる、捕まえた小動物を枝先に突刺す行動を行う。
■繁殖
繁殖期はつがいで縄張りを持ち、産卵期は3〜6月。雑木林や生け垣の1〜2mの枝に、草の茎、ツタ、スギ皮などの蔓状のものを多用し、ビニールの紐など人工物も利用して椀型の巣を作る。産座にはシュロの毛、ススキの穂、細根などの糸状のものを敷き詰める。淡青色や淡褐色の地に斑点がある長径2.3cn程の卵を、通常4〜6個産卵し、抱卵日数は約14〜15日。巣立ちまでは焼く14日。 2回目の繁殖時に山地へ移動して繁殖することも知られている。
■亜種
2亜種あり、ロシア南東部、中国北東部、朝鮮半島、日本及び近くの島々に分布する亜種L.b.bucephalus、中国中央部に分布する亜種L.b.sicarius
■分布
中国東北部、朝鮮半島、サハリンなどで繁殖する。日本では亜種モズ(L.b.bucephalus)。北海道から九州まで広く分布し留鳥。
■福岡での事例
福岡でも留鳥で一年中見られる。 【室見川】河口から曲淵ダムまでの全流域の林や公園や住宅地で普通に見られる。 【今津】周辺の農耕地で普通に見られる。 【和白】干潟後背地、塩浜農耕地、住宅街。

【2】雌。2003.03.27福岡園福岡市、室見川西部運動公園にて撮影。

【3】雄。第1回冬羽。下嘴基部が肉色で、脇に波模様が見える。2001.12.03福岡園福岡市、今津元岡にて撮影。

【4】雌。第1回冬羽。下嘴基部が肉色。2002.02.02福岡園福岡市、室見川西部運動公園にて撮影。

【5】幼鳥。風切に白斑が見えるので雄と思われる。2002.06.04福岡園福岡市、室見川石釜にて撮影。

【6】幼鳥。風切に白斑があるので雄だと思われる。2001.05.20福岡園福岡市、今津田尻にて撮影。

室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2020/01/30作成