- 南西諸島九州に分布を広げている日本固有のサンショウクイ類。
- ■形態
- 雌雄ほぼ同色。
額から目の上は白く、黒い過眼線があり、頬から喉は白い。嘴は黒く、虹彩も黒い。頭からの上面は暗灰黒色で、尾羽は長い。翼を広げると初列風切から次列風切の基部に白斑があり、白い翼帯となる。胸から下は灰色から白。脚も黒い。
雌は背に灰色味が強い。
幼鳥は雨覆等の羽縁が白い。
- ■鳴き声
- 「ヒリンヒリン」「ヒリリリ」等と聞こえる鳴き声で鳴く。
- ■採餌
- 昆虫、木の実などを採餌する。
- ■繁殖
- 4〜6月頃、高木の横枝に樹皮、細枝など椀型の巣を作り、外側にはウメノキゴケをクモの巣で一面に貼り付ける。産座にはシュロ、獣毛、ススキなどの糸状の素材を敷き詰める。産卵期は5〜6月。長径2.1cm短径1.6cmの青灰色の地に斑点のある卵を、通常4〜5個産卵し、雌だけが17〜18日間抱卵する。巣立ちまでは約14日。
- ■備考
- 日本鳥学会目録第7版まではサンショウクイの亜種とされていた。
- ■亜種
- 亜種はない。
- ■分布
- 1970年前後に南西諸島から南九州に留鳥として分布していたが、1990年代後半には四国、九州北部、2000年には広島、奈良等でも確認され分布が広がっている。
- ■福岡での事例
- 福岡でも留鳥として繁殖している。
【室見川】上流部で観察。
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