- 鳴きながら上昇と下降を繰返す草原の小さな鳥。
- ■形態
- 雌雄ほぼ同色。
夏羽では額から頭頂は黒褐色で、黒褐色のぼんやりとした過眼線があり、淡い眉斑がある。頬も淡い黄褐色。後頭から背、腰は黄褐色で、肩羽、翼は黒褐色で、羽縁は黄褐色。尾は凸尾で、黄褐色。中央尾羽以外には先端に白斑があり、内側に黒帯がある。
嘴は黒褐色で、下嘴は肉色を帯びる。
繁殖期の雄は口角と会合線が黒い。喉から下は白く、脇は黄褐色味を帯びる。脚は肉色。
冬羽では額から頭頂が黄褐色になり、頭頂には黒褐色の縦斑がある。胸は黄色味が強くなる。
- ■鳴き声
- 繁殖期に雄は縄張り宣言で「ヒッヒッヒッ」と鳴きながら上昇し、「チャッチャッチャッ」と鳴きながら下降する。南西諸島の個体は金属的な鳴き声で鳴く。地鳴きは「チュッ」。
- ■採餌
- 草むらを移動しながら、葉に止まる虫などを捕まえる。
- ■繁殖
- 産卵期は5~8月。雄はチガヤなどの茂る草原で、イネ科の葉をクモの糸で縫い合わせて巣の外側を作り、雌がチガヤの穂を中に敷き詰めて完成させる。産卵数は4~6個で、抱卵日数は約14日。巣立ちまでは約13日。
- ■亜種
- 17亜種ある。
フランス西部、イベリア半島、バレアレス諸島、アフリカ北西部に分布する亜種C.j.cisticola、
フランス南部からトルコ及びシリア、さらにエジプトおよび 地中海の島々に分布する亜種C.j.juncidis、
セネガル、Senegal and Gambia to Ethiopia, Rwanda, Tanzania and Nigeriaに分布する亜種C.j.uropygialis、
ガボンおよびコンゴからタンザニア南部および南アフリカに分布する亜種C.j.terrestris、
Cyprus、レバノンおよびイスラエルからイラン西部に分布する亜種C.j.neuroticus、
アフガニスタン東部からミャンマーおよび中国南部およびインド南東部およびスリランカの乾燥低地に分布する亜種C.j.cursitans、
インド南西部に分布する亜種C.j.salimalii、
スリランカ(乾燥低地を除く)に分布する亜種C.j.omalurus、
韓国、日本およびバタン島(フィリピン北部)に分布する亜種セッカ(C.j.brunniceps)、
中国南東部および台湾からタイ、インドシナおよびフィリピン(バタン島およびパラワン諸島を除く)に分布する亜種C.j.tinnabulans、
パラワン諸島に分布する亜種C.j.nigrostriatus、
ニコバル諸島、ミャンマー南東部、タイ南西部、マレー半島および大スンダ列島に分布する亜種C.j.malaya、
ジャワ東部、カンゲアン諸島および小スンダ列島に分布する亜種C.j.fuscicapilla、
スラウェシおよび周辺島嶼に分布する亜種C.j.constans、
オーストラリア北中央部に分布する亜種C.j.leanyeri、
クイーンズラン北西部(オーストラリア北から北東部)に分布する亜種C.j.normani、
オーストラリア北東部、ニューギニア南中央部に分布する亜種C.j.laveryi。
- ■分布
- ヨーロッパ南西部、アフリカ中部、南部、インド、東南アジア、フィリピン、中国南東部、台湾に分布。
日本では亜種セッカが本州以南に留鳥または漂鳥として分布し、北陸、東北地方のものは冬季暖地へ移動する。
- ■福岡での事例
- 福岡では留鳥で、農耕地で見られる。
【室見川】2000年08月20日立花堰で観察。以降下流から中流の葦原や周辺の農耕地、草原で観察。
【今津】2000年09月21日に田尻で観察。
【和白】2000年11月25日に和白川河口で観察。
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