スズメ目
PASSERIFORMES
シジュウカラ科
Paridae
Periparus属
Periparus (de Sélys-Longchamps, 1884)

ヒガラ(日雀)
Periparus ater (Linnaeus, 1758)  Coal Tit
L10cm
留鳥
山地から亜高山の林
【1】亜種ヒガラ。2021.03.12大分県臼杵市にて撮影。
「ツピンツピン《と鳴く針葉樹に多いカラ類。
■形態
雌雄同色。
額から後頭まで黒く、頭頂に短い冠羽がある。背からの上面は青灰色で、大雨覆と中雨覆の羽先は白く2本の翼帯となる。 嘴は黒い。頬は白く、喉から胸は三角形上に黒い。胸からの下面は汚白色。脚も黒い。
冬羽では下面が黄褐色味を帯びる。
ヨーロッパの亜種などは後頭が白い。
■鳴き声
囀りは「ツピンツピン《「チョピンチョピン《で、早口で鳴く。地鳴きは「チー《「ツイツイ《
■行動
越冬期は他のカラ類等と混群を作る。
■採餌
針葉樹の枝先の茂みの中を移動して、昆虫やクモなどを捕らえる。
■繁殖
産卵期は5~7月で、針葉樹林の樹洞やキツツキの古巣などに蘚類を材料として椀型の巣を作る。通常5~8個産卵し、抱卵日数は約15~16日。
■亜種
21亜種ある。
グレートブリテンおよびアイルランド北東部で繁殖する亜種P.a.britannicus、 アイルランド(北東部を除く)で繁殖する亜種P.a.hibernicus、 ヨーロッパ大陸および小アジア、シベリアを経てカムチャツカ、樺太、朝鮮半島、中国北中央部およびモンゴル北中央部で繁殖する亜種P.a.ater、 イベリア半島で繁殖する亜種P.a.vieirae、 コルシカおよびサルディニアで繁殖する亜種P.a.sardus、 モロッコで繁殖する亜種P.a.atlas、 アルジェリア北部およびチュニジア北部で繁殖する亜種P.a.ledouci、 キプロスで繁殖する亜種P.a.cypriotes、 クリミア半島南部で繁殖する亜種P.a.moltchanovi、 コーカサス(南西部を除く)およびトランスコーカシア中央、東部で繁殖する亜種P.a.michalowskii、 トルコ北東部からコーカサス南西部で繁殖する亜種P.a.derjugini、 中国西部で繁殖する亜種P.a.eckodedicatus、 アゼルバイジャン南東部、イラン北部、トルクメニスタン南西部で繁殖する亜種P.a.phaeonotus、 カザフスタン南東部から中国北西部で繁殖する亜種P.a.rufipectus、 カリ・ガンダキ地方(ネパール中央部)で繁殖する亜種P.a.martensi、 アフガニスタン東部およびパキスタン北西部からヒマラヤ北西部で繁殖する亜種P.a.melanolophus、 ヒマラヤ東部からミャンヤンマー北部で繁殖する亜種P.a.aemodius、 中国東中央部で繁殖する亜種P.a.pekinensis、 千島列島南部および日本で繁殖する亜種ヒガラ(P.a.insularis)、 中国南東部で繁殖する亜種P.a.kuatunensis、 台湾で繁殖する亜種P.a.ptilosus
■分布
ユーラシア大陸の温帯から亜寒帯に広く分布する。
日本でも屋久島以北に分布する。
■福岡での事例
福岡でも留鳥だが、標高の高い山にしか分布していない。
【背振山】福岡市内では唯一冬期背振山で見られる。

【2】亜種ヒガラ。2021.03.12大分県臼杵市にて撮影。

【3】亜種ヒガラ。2013.03.08宮崎県小林市にて撮影。

【4】亜種ヒガラ。2013.03.08宮崎県小林市にて撮影。

【5】亜種P.a.vieirae。2024.05.28ポルトガル、リスボン市内にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2024/05/29作成