スズメ目
PASSERIFORMES
スズメ科
Passeridae
スズメ属
Passer (Brisson, 1760)

イエスズメ(家雀)
Passer domesticus (Linnaeus, 1758)  House Sparrow
L14~16cm
迷鳥
住宅地・農耕地
【1】雄冬羽。目の後方に白斑がある。2018.02.23熊本県玉名市、横島干拓にて撮影。
ヨーロッパ等では人家近くにすむ、スズメ類。
■形態
雄夏羽は額から後頭部が灰色で、目の後ろから、後頸と肩羽は栗色。背からの上面は栗色で黒い縦斑がある。中雨覆の羽先は白く、大雨覆や黒い風切の羽縁は淡色。腰は灰色味があり、尾は黒褐色。 嘴は太く黒く、目の周囲、眼先、喉は黒い。目の後方に小さな白斑があり、耳羽と頬は白い。 胸には喉から続く大きな黒斑があり、その他の下面は汚白色。脚は肉色。
冬羽では全体が淡色になり、喉から胸の黒斑が小さくなり、嘴は黄色味を帯びる。
雌は頭部全体から後頸は淡い灰褐色で、目の後方に淡黄褐色の眉斑がある。背からの上面は雄に比べて淡色で喉から胸にかけての黒色部はなく、下面は淡灰褐色。下尾筒は白っぽい。嘴は淡黄褐色。
■亜種
12亜種ある。
ヨーロッパ西、北部を経てアジア北部からシベリア北東部および日本北部、 で繁殖しアメリカ、南米およびオーストラリアに移入され繁殖する亜種P.d.domesticus、 ヨーロッパ南部(イタリアを除く)からトルコ中部で繁殖する亜種P.d.balearoibericus、 Cyprus、イスラエル北部およびヨルダン北西部からシリア西部およびトルコ南東部からイラン北西部で繁殖する亜種P.d.biblicus、 アゼルバイジャン南西部およびイラン北部で繁殖する亜種P.d.hyrcanus、 イラン中部からアフガニスタン西、南部で繁殖する亜種P.d.persicus、 イスラエル南部およびパレスチナ南部を経てアラビアおよび以東からインドおよびアジア中、南東部で繁殖する亜種P.d.indicus、 トルクメニスタン西部およびイラン北東部から中国西部およびパキスタン北西部で繁殖する亜種P.d.bactrianus、 ヒマラヤ北西、中央部で繁殖する亜種P.d.parkini、 アラビア北東部で繁殖する亜種P.d.hufufae、 アフリカ北西部で繁殖する亜種P.d.tingitanus、 エジプトで繁殖する亜種P.d.niloticus、 スーダンおよびエルトリアで繁殖する亜種P.d.rufidorsalis
■分布
ヨーロッパ、中央アジア、中東、インド、北、オーストラリア西部、北米、中央アメリカ、南米西部・東南部に広く分布する。
日本ではきわめてまれな迷鳥として亜種イエスズメが1990年8月に北海道利尻島で初めて観察され、利尻島、積丹町でスズメと交雑して繁殖した。その後舳倉島、見島で観察され、熊本県でも3羽が観察された。
■福岡での事例
福岡では記録がない。

【2】雄冬羽。2018.02.23熊本県玉名市、横島干拓にて撮影。

【3】雄冬羽。額から後頭部が灰色。2018.02.23熊本県玉名市、横島干拓にて撮影。

【4】雄冬羽。腰は灰色。2018.02.23熊本県玉名市、横島干拓にて撮影。

【5】雄冬羽。胸の黒斑部がはっきりしていない。2018.02.23熊本県玉名市、横島干拓にて撮影。

【6】雌。2018.02.23熊本県玉名市、横島干拓にて撮影。

【7】雌。2018.02.23熊本県玉名市、横島干拓にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2024/04/21作成