- 鳴声だけは、誰でも知っているのに、実際に見たことがある人が少ない鳥。
- ■形態
- 雌雄同色。
頭部から背、翼、尾が緑灰褐色。眉斑は汚白色で、淡い黒褐色の眉斑がある。顔、喉から下は汚白色で、脇が褐色味を帯びる。嘴は細く上嘴は黒褐色で、下嘴は橙色。脚は茶褐色。尾はやや長い。
幼鳥は黄色味が強い。
亜種ハシナガウグイスは嘴が細長い。
亜種ダイトウウグイスは小型で、全体に羽の色が濃く、額、翼、尾に赤茶色味が強い。
- ■鳴き声
- 囀りは「ホーホケキョ」の他に、他に渡りと呼ばれる「ケキョ ケキョ ケキョ」と長く続く声でも鳴く。地鳴きは笹鳴きと呼ばれ「チャッ チャッ」。
- ■行動
- 生息環境の似たオオヨシキリなどのヨシキリ類、センニョウ類は水平には止まらないが、ウグイスはムシクイ類と同様に枝に水平に止る。
- ■採餌
- 藪の中を活発に移動して葉の上の虫を獲る。
- ■繁殖
- 産卵期は5~6月。低木の枝やササの上に、ススキやササ等の枯葉で横に入り口のある球形の巣を作る。通常4~6個産卵し、抱卵日数は約14~16日。巣立ちまでは約14日。
- ■亜種
- 4亜種ある。
樺太南部及び千島列島で繁殖する亜種リュウキュウウグイス(H.d.riukiuensis)、
日本中部、南部、琉球列島北部で繁殖する亜種ウグイス(H.d.cantans)、
大東諸島?琉球列島南部で繁殖する亜種ダイトウウグイス(H.d.restrictus)、
伊豆諸島、小笠原諸島および硫黄島で繁殖する亜種ハシナガウグイス(H.d.diphone)。
従来サハリン南部、南千島で繁殖するのは亜種カラフトウグイス(S.d.sakhalinensis)とされていたが、同亜種が沖縄などで越冬する亜種リュウキュウウグイス(H.d.riukiuensis)であると判明した。
また、雑滅したと考えられた亜種ダイトウウグイス(H.d.restrictus)は沖縄島に留鳥として分布している個体群と判明した。
- ■分布
- サハリン南部、南千島で繁殖し、台湾、フィリピン北部で越冬する。
日本では全国に分布し、北海道では夏鳥、本州以南は留鳥。
- ■福岡での事例
- 福岡では留鳥で一年中見られる。
【室見川】全流域の葦の茂みや薮で観察。冬場は下流の住宅地、公園などで観察。繁殖期は上流の林や薮。
【大濠公園】秋から春にかけて園内の茂みで観察。
【南公園】秋から春にかけて園内の茂みで観察。。
【小戸公園】秋から春にかけて園内の茂みで観察。。
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