スズメ目
PASSERIFORMES
ウグイス科
Cettiidae
Horornis属
Horornis (Hodgson, 1845)

ウグイス(鶯)
Horornis diphone (Kittlitz, 1830)  Japanese Bush Warbler
L♂16cm♀14cm W♂21cm♀17cm
留鳥
林・笹藪・葦原
【1】亜種ウグイス。2022.12.15福岡県福岡市、室見川筑肥橋にて撮影。
鳴声だけは、誰でも知っているのに、実際に見たことがある人が少ない鳥。
■形態
雌雄同色。
頭部から背、翼、尾が緑灰褐色。眉斑は汚白色で、淡い黒褐色の眉斑がある。顔、喉から下は汚白色で、脇が褐色味を帯びる。嘴は細く上嘴は黒褐色で、下嘴は橙色。脚は茶褐色。尾はやや長い。
幼鳥は黄色味が強い。
亜種ハシナガウグイスは嘴が細長い。
亜種ダイトウウグイスは小型で、全体に羽の色が濃く、額、翼、尾に赤茶色味が強い。
■鳴き声
囀りは「ホーホケキョ」の他に、他に渡りと呼ばれる「ケキョ ケキョ ケキョ」と長く続く声でも鳴く。地鳴きは笹鳴きと呼ばれ「チャッ チャッ」。
■行動
生息環境の似たオオヨシキリなどのヨシキリ類、センニョウ類は水平には止まらないが、ウグイスはムシクイ類と同様に枝に水平に止る。
■採餌
藪の中を活発に移動して葉の上の虫を獲る。
■繁殖
産卵期は5~6月。低木の枝やササの上に、ススキやササ等の枯葉で横に入り口のある球形の巣を作る。通常4~6個産卵し、抱卵日数は約14~16日。巣立ちまでは約14日。
■亜種
4亜種ある。
樺太南部及び千島列島で繁殖する亜種リュウキュウウグイス(H.d.riukiuensis)、 日本中部、南部、琉球列島北部で繁殖する亜種ウグイス(H.d.cantans)、 大東諸島?琉球列島南部で繁殖する亜種ダイトウウグイス(H.d.restrictus)、 伊豆諸島、小笠原諸島および硫黄島で繁殖する亜種ハシナガウグイス(H.d.diphone)。
従来サハリン南部、南千島で繁殖するのは亜種カラフトウグイス(S.d.sakhalinensis)とされていたが、同亜種が沖縄などで越冬する亜種リュウキュウウグイス(H.d.riukiuensis)であると判明した。 また、雑滅したと考えられた亜種ダイトウウグイス(H.d.restrictus)は沖縄島に留鳥として分布している個体群と判明した。
■分布
サハリン南部、南千島で繁殖し、台湾、フィリピン北部で越冬する。
日本では全国に分布し、北海道では夏鳥、本州以南は留鳥。
■福岡での事例
福岡では留鳥で一年中見られる。
【室見川】全流域の葦の茂みや薮で観察。冬場は下流の住宅地、公園などで観察。繁殖期は上流の林や薮。
【大濠公園】秋から春にかけて園内の茂みで観察。
【南公園】秋から春にかけて園内の茂みで観察。。
【小戸公園】秋から春にかけて園内の茂みで観察。。

【2】亜種ウグイス。2022.12.15福岡県福岡市、室見川筑肥橋にて撮影。

【3】亜種ウグイス。2022.12.15福岡県福岡市、室見川筑肥橋にて撮影。

【4】亜種ウグイス。2015.05.15.山口県下関市にて撮影。

【5】亜種ウグイス。2019.05.28宮崎県日南市にて撮影。

【6】亜種ウグイス。2020.11.16鹿児島県市来市にて撮影。

【7】亜種ウグイス。2019.02.12撮影。

【8】雛。亜種ウグイス。2021.05.14大分県臼杵市、野津町にて撮影。

【9】幼鳥。亜種ウグイス。2015.05.22長崎県彼杵町、千綿郷にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2024/04/25作成